「肺がんはこわいけど、いまさら禁煙しても…」

「肺がんはこわいけど、いまさら禁煙しても…」

がん

 「肺がんの原因は」と聞かれると、どなたでもたばこを思いつかれるでしょう。でも、たばこを吸っているかたがみなさん肺がんになるわけではありませんし、全く吸わないかたでも肺がんになることはあります。ただ、習慣的に喫煙する人が肺がんで亡くなるリスクは、非喫煙者の約4倍強といわれています。

 一般的に喫煙者と非喫煙者で発生する肺がんは、タイプが異なります。扁平(へんぺい)上皮がんや小細胞がんというタイプの肺がんは、ほとんどが喫煙者に発生し、肺の付け根にできることが多いため最初はレントゲン写真で見つけにくく、進行してから見つかることが多いです。

 一方、非喫煙者には腺がんというタイプの肺がんが多く、これは肺の末梢(まっしょう)に発生することが多いのでレントゲンやCTなどの検診で早期発見が可能です。

 「もうたばこを随分長い間吸ってきたから、今さらやめても仕方がない。肺がんになったら諦める」というかたもいるかもしれませんが、簡単に諦める必要はありません。禁煙すると多くのがんで死亡のリスクが低下することが分かっており、肺がんでも禁煙している期間に応じてリスクが減り、20年すると非喫煙者とほぼ同じになるといわれています。

 たばこを吸うかたには、少しでも早く(若いうちから)禁煙をして、かつ、非喫煙者にみられるタイプの腺がんなどを早期発見するために、検診をしっかり受けられることをお勧めします。

 なお、喫煙はがん以外にも、狭心症、心筋梗塞、脳卒中につながる動脈硬化や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一大原因でもあります。

 喫煙とがんについて、くわしくは国立がん研究センターの「がん情報サービス」(外部リンク)のホームページにもありますのでご参照ください。

2017年3月5日


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