「女性特有の病気、骨盤臓器脱を知ってますか?」

「女性特有の病気、骨盤臓器脱を知ってますか?」

産婦人科

 みなさん、骨盤臓器脱という病名を聞いたことはありますか?女性に特有で、骨盤を支えている骨盤底筋群が加齢や出産などで緩むことにより骨盤内のぼうこう、子宮、直腸、小腸が膣(ちつ)から出てきてしまう病気の総称です。出てくる臓器により個別にぼうこう瘤(りゅう)、子宮脱、直腸瘤、小腸瘤、断端脱とも言いますが単独で出てくるよりも合併してくることが多く、直接生命に影響することはまれですが、生活の質(QOL:Quality of life)を低下させる病気の代表です。日本での詳しい調査はされていませんが、欧米では罹患(りかん)率が高いとされ、一生のうち10人に1人が骨盤底疾患によって手術を受けると報告されています。

 出てくる臓器によってあらゆる症状を引き起こします。脱そのものの症状として陰部に何かが触れる、何かが下がっている、挟まっている感じや、座った時に当たる感じがするなど不快な症状を訴えるケースが多いです。排尿に関する症状としてはトイレが近くなる、尿が漏れる、またぼうこうの脱出が高度になると逆に尿が出にくくなるという症状を起こします。排便に関しては便秘や、便が出にくいといった症状を訴えます。

 治療は、手術治療と、保存治療として骨盤底筋体操とペッサリー治療があります。軽症な場合は骨盤底筋体操が有効ですが、体操で効果がない場合はペッサリー治療という、膣内に器具を入れることにより元の位置に戻し、症状を軽減させる治療法があります。多くの場合有効ですが、まれに合わない場合もあります。

 骨盤臓器脱の根治治療は手術治療になります。さまざまな術式がありますが、膣から行う術式として代表的なのが再発率の低いメッシュを使用したTVM手術、メッシュを使用しない従来法、膣閉鎖術などがあります。近年、腹腔鏡を用いた膣仙骨固定術が保険適応になりました。どの術式にも特色があり、何が一番自分に合っているかしっかりと相談して決めることが大切です。

 まずはかかりつけ医にご相談ください。

2017年3月19日


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