「糖尿病って何?治療は?」

「糖尿病って何?治療は?」

糖尿病

 糖尿病とは「尿に糖が出る病気」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。正確には血糖値(血液の中のブドウ糖)が160ミリグラム/dlを超えると尿糖が認められるようになります。ですから糖尿病であっても、血糖値が160ミリグラム/dl未満であれば尿糖は認められません。医学的には「インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群」と定義されます。

 つまり、血糖値を下げるほぼ唯一のホルモンであるインスリン(すい臓から分泌されます)が何らかの要因で十分に作用できなくなった結果、血糖値が慢性的に高くなり、同時に脂質やたんぱくなどの代謝が障害される病気です。糖尿病には主に1型(インスリンが出なくなる)と2型(インスリンが出ている)がありますが、日本の場合90%以上が2型です。病状が進むと糖尿病の3大合併症(神経症、網膜症、腎症)や動脈硬化による合併症(狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの脳卒中、末梢〈まっしょう〉動脈疾患)などを引き起こします。また、がんやアルツハイマー型認知症も多くなります。

 では、糖尿病治療は何のために行い目標は何か。これを最初に理解しておかないと、さまざまな誤解(好きなものが食べられない、お酒も飲めない、甘いものは一切食べられない、合併症で人生が台無しになる、寿命が縮むなど)を生じ、糖尿病治療は大変苦痛なものになってしまうでしょう。目標は「健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、健康な人と変わらない寿命の確保」です。つまり、糖尿病とうまく付き合い、元気で平均寿命まで、あるいは平均寿命を超えて生きるということです。こんな言葉があります。「糖尿病を人生の主人にしてはならない、人生の主人は自分自身である」。

 現在、糖尿病治療薬には7種類の作用が異なる内服薬と、インスリン注射薬、インクレチン注射薬があり、食事・運動療法を行いながら最適な治療が可能です。糖尿病に人生を支配されることなく、うまく付き合い、明るく楽しい生活を手に入れましょう。

2017年11月6日


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