「嚥下と誤嚥」

「嚥下と誤嚥」

その他

 今回は嚥下と誤嚥についてお話ししたいと思います。嚥下(食べ物や飲み物を飲み込む運動)は、誰から教わるでもなく自然と身に付く運動です。吸い込んだ空気や食べ物・飲み物が喉に送り込まれたとき、無意識のうちに空気は気管へ、飲食物は食道へ送り込まれます。しかし、時々誤って食べ物が気管に入ってしまうことがあります。これを誤嚥といいます。多くの方は途端にせきが出ると思いますが、これは気管に入った、もしくは入りそうになったものを排出しようとする正常な働きです。この働きが起こらないか、もしくは体力が無くて、せきで飲食物を出せずに気管から肺へ入ってしまうと、誤嚥性肺炎を起こすことがあるので、注意が必要です。

 嚥下運動には三つの段階があります。最初は口の中に入れてかんだりためたりする段階です。次に舌を使って喉に食べ物を移動させ、最後に圧を使って食道へ送り込みます。食べ物が喉に移動して飲み込む際に気管に入らないようにする運動が起こり、正しく飲み込むようになっています。最近むせやすいと思われる方は、3段階を意識して食事をするとよい場合もあります。

 また、乳幼児の誤嚥は、無意識に気管に入ってしまうのは大人と同じですが、気管が詰まって呼吸障害が生じると、生命の危険もあります。原因はピーナツなどの豆類が多いですが、あめや丸ごとのプチトマトなども要注意です。食べ物以外でも特に1~3歳くらいまでに多く見られますので、万が一そのような状況になってしまったら、迷わず救急車を呼んでください。そのほか、餅や一口サイズのゼリーなども、性状によっては大人も子どもも危険な場合があるので、小さいサイズにしてから食べた方が安全です。さらにくわしくお聞きになりたい方は、耳鼻咽喉科の専門医を受診してください。

2017年12月3日


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