胃腸の病気
みなさんは過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)という病名をご存じですか。 最近、コマーシャルでもIBSとの略語が使われるようになり周知されてきています。IBSは、腸の運動障害による排便障害を指します。大腸に器質的疾患すなわち大腸炎、がんなどの病気がないのに、便秘、下痢がひどかったり、おなかが痛くなったりする症候群です。例えば、仕事や住む場所、学校が変わったことでおなかの調子が悪くなった、平日は調子が悪いのに休日は大丈夫、電車の中などすぐにトイレに行けない状況であるとおなかが痛くなり駅のトイレに駆け込んでしまうなど、ストレスや運動不足、不安、緊張が大いに関係あるといわれています。多少、便秘になったり下痢になったり、軽度の腹痛は誰にでもあることなので、あまり心配しない方が良いのですが、器質的疾患が除外されること(がんや炎症などの手術治療や内服治療が必要な病気がないこと)がIBSの定義ですので、症状が続くときは自分で判断せず、必ず医療機関を受診され大腸の精密検査を受けることをお勧めします。 IBSは大きく分けると便秘型、下痢型、混合型に分けられます。便秘型は女性、下痢型は男性に多いといわれていましたが、仕事のストレスなどの影響で女性の下痢型なども増えてきています。それぞれの症状に適した薬も開発されていますが、生活習慣、運動不足などに起因することも多く、ストレスがうまく発散されるように生活を見直すことが最も大事です。 |
2018年5月20日