「乾癬(かんせん)」

「乾癬(かんせん)」

その他

 乾癬という病名はあまり聞きなれないかもしれませんが、極めて難治性のものもあり、数年から数十年と長い期間にわたって続くため、苦しんでいる患者さんも少なくない皮膚病です。

 もともとは白人のかたに多い病気で、遺伝的な体質に環境的なものや何らかの発病因子が加わり、免疫が作用して病気になると考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。日本人にはあまり見かけられない皮膚病でしたが、脂質代謝との関連性も指摘されており、近年日本人のメタボ人口の増加に合わせるように、患者さんも増えてきています。

 かゆみはないこともありますが、体や被髪頭部に赤い円形や不整形の発疹を作り、フケのようなものも付着します。また、外的な力を受ける場所(肘や膝など)にも発疹が生じやすく、なかなか治らないこともあります。

 乾癬の治療は現在、革新的変化が起こりつつあります。外用剤は二つの有効成分が一つの軟膏剤の中に適度に配分され、1日に2~3回必要であった外用回数が1日に1回でよくなりました。さらに頭皮にはシャンプーのようにして使える薬剤も出てきました。飲み薬も従来の薬剤にあった重篤な副作用もなく、症状を改善させるものが登場してきました。

 また関節の痛みや変形を伴う例や重症の患者さんには外用をしなくても9割以上改善が期待できる注射薬も数種類使用できるようになりました。高価ですが高額療養費制度が適用されますので、患者さんの負担は軽減されるようになっています。従来の治療でよくならないと諦めていたかたは、ぜひ医師にもう一度相談してみましょう。

2018年6月17日


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