「子どもの感染症」

「子どもの感染症」

小児科

 感染症が治療や予防のできる病気となったのは、20世紀になってからのことです。上下水道など衛生環境の改善、食生活の向上、医学知識の普及などが感染症の減少・予防に大きく貢献しました。

 医学的には、抗菌薬(抗生物質)の進歩によって、抵抗力が未発達な子どもたちが重い感染症から救われるようになりました。けれども、抗菌薬も万能ではなく、細菌感染症には有効ですが、細菌の50分の1程度の大きさしかないウイルスには無効です。医師は診察で抗菌薬が有効か、処方が必要な状態かを判断します。抗菌薬には人がもともと体内に持っている有益な細菌を殺してしまう力も副作用もあるので、自然治癒力で治るケースなどは、なるべく使わないように心掛けます。医師は、疾患に応じた適切な抗菌薬を使うことのメリットの方が大きい場合に処方するので、「処方してほしいのに出してくれない」「使いたくないのに処方される」と思われた際には、医師と話し合ってみましょう。

 予防接種は感染症の発症・重症化を防ぎます。抗菌薬の効かないウイルスに対しては、予防接種が頼りです。最近、外国から持ち込まれた麻疹(はしか)が少し流行していますが、大流行になっていないのは予防接種が行われてきたからです。予防接種施行前の1950年代には年に4千人以上の子どもが麻疹で亡くなっていました。テレビドラマで話題のムンプス(おたふくかぜ)難聴も予防接種でしか防ぐことができません。最近では予防接種の種類が多くなったので、接種を迷われたり、気になることがある場合は、かかりつけの医師に気軽に相談してください。

2018年8月5日


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