皆さんの健康のために

難聴と補聴器

耳鼻科

 五感の一つである聴力はとても大事な感覚です。この感覚機能が低下することを難聴といいます。難聴には、内耳や聴神経の機能が低下してしまう感音性難聴と、中耳炎や鼓膜に穴が開いてしまう状態の伝音性難聴があります。

 感音性難聴には、加齢に伴って徐々に聴こえなくなる老人性難聴や、突然聴こえなくなる突発性難聴などがあります。近年、聴こえによる脳への刺激が重視されており、認知症との関係について、研究が進んでいます。まだ明確な因果関係は証明されていませんが、聴こえることで脳が刺激されることは大事ではないかと思います。

 伝音性難聴は、手術などの治療で聴力が改善する場合もあります。しかし、感音性難聴は発症から時間が経過すると、改善が見込めないケースが多くなります。大幅に聴力が低下すると日常生活に支障を来しますし、聴こえの刺激がなくなることは、脳の働きを低下させる恐れもあります。そこで、聴こえを補うために使われるのが補聴器です。

 補聴器はとても有用ですが、聴力低下の程度や耳の症状により、向き不向きがあります。場合によっては何度も購入店に通って、調整しなければなりません。高価なものなので、アフターサービスのしっかりした店舗で購入することが大切で、購入前には耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。耳あかや耳の状態を診察し、補聴器の購入に向けた適切なアドバイスが受けられると思います。

 また、今年の4月から補聴器の購入が医療費控除の対象になりました。控除を受けるには、耳鼻咽喉科で必要な問診と検査を受けて「補聴器適合に関する診療情報提供書」を発行してもらい、この書類を持参して補聴器販売店で購入するといった手順が必要です。購入後の受診では認められないので、ご注意ください。詳しくは耳鼻咽喉科の補聴器相談医にお尋ねください。

2018年12月3日


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