皆さんの健康のために

糖尿病は体中の血管を障害します

糖尿病

 今や日本人の5人に1人が糖尿病患者またはその予備軍といわれています。空腹時に100mg/dl前後の血糖値が126mg/dl以上へのわずかな上昇で糖尿病と診断されます。食後はより高く変動し、食後過血糖・血糖スパイクとも呼ばれ動脈壁を傷つけます。その繰り返しは体中の血管を障害し、小さな血管では神経障害(しびれ)、網膜症(眼底出血、視力障害)、腎症(蛋白尿、腎不全)を生じます。大きい血管では脳梗塞、心筋梗塞、下肢の血管閉塞などを来し命に関わる場合もあります。このほかにも認知症、歯周病、骨粗しょう症やがんなどの発症率を高めます。

 糖尿病が何より厄介なのは初めは全く症状がないことです。知らない間に進行し、視力の低下で医療機関を受診した際に糖尿病と判明することもあります。さらに血糖が上昇し尿糖が多く出ると、喉が渇き水分が欲しくなります。この際、清涼飲料水などを多く取るとますます血糖が上昇し入院に至ることもあります。これからの夏場に要注意です。

 治療の基本は食事と運動です。初期には食べ方や生活習慣を見直すだけで良くなることも多くみられます。三食バランスよく、食事の前半に野菜、海藻、キノコ類を多く取ると食後の過血糖が抑えられます。おやつは習慣にせず、夕食は早めに済ませ3時間は空けて就寝することが大事です。寝不足やストレスも血糖を下げにくくします。運動はカロリーを消費し、血糖の利用効率を高めます。散歩などの有酸素運動に加え、筋力トレーニングも有用です。時間の取れない場合は通勤や家事などの日常生活で補うことも可能です。

 高血糖を早期に見つけるには血糖値とその平均を表すヘモグロビンA1cを定期的にチェックすることです。健診に参加しましょう。

2019年7月7日


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