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『りんご病』について

小児科

 昨年ごろより、りんご病が途切れることなく流行しています。これは伝染性紅斑という幼児や学童に好発する感染症で、両頬がりんごのように赤くなることから「りんご病」と呼ばれています。原因はヒトパルボウイルスB19です。

 伝染性紅斑は、通常、感染後1週間くらいすると無症状ないしは軽い感冒様症状を示し、ウイルス血症(血液にウイルスがまん延すること)を起こします。このころウイルスは体外へ最も多く排せつされ、感染力が高くなります。感染経路は、飛沫(ひまつ)感染、接触感染、血液製剤(輸血)があります。その後、血液中にウイルスに対する抗体が産生されると、頬に赤い紅斑、手足にレース状の発疹が出ます。抗体が産生されてから発疹が出るので、「りんご病」と診断されるころにはすでに感染力は低下しています。ウイルスをたくさん排せつしている時期に診断したり検査したりすることができないため、この感染症の予防は大変困難です。

 子どものりんご病は、発疹以外の症状がないことがほとんどですが、ヒトパルボウイルスB19というウイルスは、ごくまれに、顆粒(かりゅう)球減少症などの血液疾患や関節炎などを起こすウイルスとしても知られています。また、妊婦さんが感染すると流産や胎児水腫を発症することもあるので注意が必要です。ただ、このウイルスに一度かかると終生免疫を得られると考えられていますので、何度もかかる病気ではありません。

 りんご病は、診断ができた時点で、感染力も低く、登園・登校が可能ですが、溶連菌感染症などのほかの感染症や自己免疫疾患との鑑別も必要な場合があり、医療機関で確認しておくことが望ましいでしょう。

2019年8月4日


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