精神科
厚生労働省は、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに6カ月以上続けて自宅に引きこもっている状態」を「ひきこもり」と定義しています。2018年の40歳から64歳までの人口での調査では、「自室からほとんど出ない」から「普段は家にいるが自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」までを合計した広義のひきこもりに該当する人が61・3万人いると推定されることが判明しました。ひきこもりは、小児、若者の問題だけでなく、大人の場合はその家族が高齢化していることも併せて考えると全ての世代における重要な課題となっています。 ひきこもりの背景には、小児の場合、学校でのいじめ、勉強の悩みなどから不登校になるだけでなく、DV被害に遭っている母のことが心配で家を離れることができないなど、周囲の環境が大きく関わっていることがあります。若者、大人では、受験、対人関係、就職などのつまずきがきっかけで始まることもあり、さまざまな要因が絡み合っています。また、病気や障害が見つからないままになっている場合もあります。それ故、特定の誰かを責める、悪者捜しをするなどの行為では、ますます、ひきこもりの当事者とその家族が孤立する状況を招いてしまい、解決の糸口を遠ざけてしまいます。 解決には、保健・医療・福祉・学習・就労など多方面からの支援と地域の理解が必要です。家庭訪問による相談も含め、都では、東京都ひきこもりサポートネットという窓口(TEL0120-529-528)が開設されています。また、三鷹市では、ひきこもりのため、経済的に苦しい、生活に困っている場合に生活・就労支援窓口(TEL内線2678・2679)が設けられています。 |
2019年11月17日