皆さんの健康のために

老いの心得―フレイル予防

精神科

 日本人の平均寿命は、今や、男女共に80歳を越えてきました。さらには、人生100年の時代が到来するとまで言われ始めたのです。では、このありがたい人生を自分らしく、どう楽しく生き抜いたらよいのでしょう。

 個人差があるかと思いますが、70歳を超える頃から心身の働きが衰え始めたことを強く感じるようになるでしょう。

 高齢になるにつれ、私たちの脳の働きや身体の働きは弱ってきます。若い時に比べると記憶力も衰え、体力も落ちてきます。

  物忘れをしたり、人の名前を思い出せずに認知症になったかと心配したり、また、歩くのが遅くなり、つまずきやすくもなったりして、足腰の力が弱ってきたことにも気付きます。

 物を食べたり飲んだりする時にも、それが喉につかえ、むせたり、せき込んだりすることも多くなります。

 このようにトシを重ねるにつれて、精神力(気力)や体力(筋肉)の衰えが起こるのは誰にでも起こる自然の成り行きです。これらは、いわば、老化現象でもありますが、最近ではフレイルといわれるようになりました。

 老いゆく人生で大切なことは、フレイルをただ嘆くのではなく、そのフレイル予防に努力して、明朗闊達(かったつ)な楽しい余生を送ることです。つまり、フレイルの流れ方を穏やかにして健康寿命を延ばすことです。

 それには自分に見合った快適な生活リズムを整え、毎日よく食べ、よく歩くこと。家にこもらず、買い物などの用事を見つけては外出すること。おしゃべりを楽しめる場や相手を見つけること。小さなことでも自分なりに楽しめる生活目標を持ち続けることが大切です。

2020年2月16日


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