皆さんの健康のために

気管支ぜんそく

呼吸器科

 成人のぜんそくの患者さんが増えています。高齢者は慢性閉塞性肺疾患(COPD)や高血圧、糖尿病などの病気を持っていたり、身体機能や認知機能が低下していることもあり、治療には配慮が必要です。

 ぜんそくは、気道の慢性的なアレルギー性炎症により、気管支が狭くなって、せきや痰(たん)、ぜい鳴、呼吸困難発作などが生じる病気です。アレルギーとは、ダニやハウスダスト、花粉、カビなどが体に侵入して起こる免疫反応のことです。空気中の特定の物質に対してアレルギー反応を起こしやすい体質をアトピー素因といいますが、成人ぜんそくはアトピー素因を持たない非アトピー型が7割を占めています。

 高齢の患者さんは、ぜんそくになってからの年数が長く、重症化しやすく、ぜい鳴よりも息切れが主症状となることもあり、また、COPDとの合併(ACO)や心疾患との見分けも必要です。

 ぜんそくの治療とは、吸入ステロイド薬の定期的な吸入によって、ぜんそく症状を抑えることです。また、吸入ステロイド薬と気管支拡張薬を一緒にした配合剤もあり、吸入器にはいろいろな種類があるので、正しい吸入法をマスターして、薬剤を肺の隅々まで行き渡らせることが重要です。

 日常生活では、ぜんそくを悪化させない注意が必要です。たばこはCOPDの原因であり、吸入ステロイド薬の効果を減らしてしまうので禁煙が必要です。風邪やインフルエンザは、ぜんそく悪化の誘因ですので、ワクチンをぜひ接種しましょう。ストレスや過労、肥満、運動不足もぜんそく悪化の要因です。ウオーキングなどで全身の筋肉をほぐし、適正体重を保ちましょう。

2020年3月1日


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