循環器の病気
心筋梗塞や脳梗塞は、健康と思われていた人たちにある日突然起こります。これらの病気は死を免れたとしても大きな障がいを残すことがあります。これらの原因に、動脈硬化症があります。 この動脈硬化症の状態を知るためには、超音波検査で頸(けい)動脈の状態を調べたり、血管に直接造影剤を流してこれをX線で観察したり、CT、MRIを使うなどの方法があります。 では、この動脈硬化を進める原因は何でしょうか。それは、高血圧、糖尿病、脂質異常症(悪玉コレステロールや中性脂肪が高く、善玉コレステロールが低いこと)、喫煙などです。 喫煙は、動脈硬化の原因になるのみならず、肺がんをはじめ、多くのがんの原因となり、喫煙をしないことは、極めて重要です。 悪玉コレステロールを下げるには、スタチンという薬の服用が効果的です。スタチンによるコレステロール低下が、いかに多くの恩恵を我々にもたらしているかは、数々の研究により証明されています。コレステロールによる動脈硬化の進行は、スタチンという優れた薬剤の投与によって明らかに改善されます。 しかし、これらとは別に、肥満が元で起こる糖尿病、高血圧症、脂質異常症(高中性脂肪、低善玉コレステロール)が動脈硬化の原因となっていることが問題です。 メタボリックシンドローム、いわゆるメタボという言葉をご存じかと思います。メタボリックシンドロームというのは、内臓脂肪が増加していて、糖尿病、高血圧、脂質異常症のすべて、あるいはこれらのうちの2つがある状態を言います。男性の場合は胴回り85cm以上、女性の場合は90cm以上なら、内臓脂肪が増えていると判断します。このような人は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症になりやすく、動脈硬化が進みます。 肥満の解消と禁煙。糖尿病、高血圧症、脂質異常症の適切な治療が、動脈硬化症の予防、治療の中心となります。 |
2017年5月7日