循環器の病気
狭心症というのは、みなさんもよくご存じのように心臓が痛む病気です。普通、狭心症というと労作(ろうさく)性狭心症を指します。 労作性狭心症という病気は、心臓を養っている冠動脈という血管が、動脈硬化を起こして細くなり、体を使ったときに十分な血液が血管を流れないこと(=労作)によって起こります。冠動脈が細くなっていて、体を使ったときに心臓の筋肉に血液が十分に流れなくなると、心臓はこれを痛みとして感じます。これが労作性狭心症です。 これとは別に冠攣縮性狭心症があり、こちらは安静時に起こります。典型的な症状は早朝の胸痛です。早朝以外にも夜間あるいは日中の安静時に起こることもあります。また、運動によって誘発される場合もありますが、やはり特徴は、安静時に起こることです。 その原因は、冠動脈が、けいれんを起こすことです。発作時には冠動脈がけいれんを起こしてキュッと閉まり、そこから先に血液は流れなくなります。その結果、心臓の筋肉に血液が行かなくなって心臓が痛むのです。 この病気は、発作が長く続いたりした場合、心筋梗塞を起こすことがあります。心筋梗塞というのは、心臓を養っている冠動脈が一定時間以上詰まることで心臓の筋肉が死んでしまい、心臓の働きが悪くなって、重症化すると死に至る病気です。また、狭心症の発作時に、重篤な脈の乱れを生じて心臓が止まってしまうこともあり、突然死の原因の一つになっています。治療としては、冠動脈のけいれん発作を抑える薬が投与されます。 狭心症は、体を動かしているときにだけ起こるものではありません。安静時に胸痛を感じるようでしたら冠攣縮性狭心症の可能性もあるので、一度専門の先生に相談してください。 |
2018年5月6日