皆さんの健康のために

「認知症」

 認知症といえば、多くの人は「物忘れ」を思い浮かべます。日常生活で、忘れっぽさが目立つからです。「物忘れ」は物事を記憶する脳の働きが衰えた状態で生じ、認知症の一つの重要な症状です。が、認知症とは、記憶の障害に限られたものではありません。また、一つの疾患を指すわけでもありません。

 認知症とは、正常に発達した知能(知的な機能)が低下した状態で、それが持続することにより、数々の認知機能が障害され、社会生活に支障を来すようになった状態、とみなされます。

 では、認知機能の障害とはどのようなことなのでしょう。

 それは、身の回りで起きる物事を的確に理解し判断したりして適切な行動をとる能力や、記憶力、計算力、言語の理解力、学習能力など、数々の認知機能(脳の働き)が侵されること、と言えるでしょう。

 認知症は脳の疾患で起こります。アルツハイマー病、脳血管性疾患、レビー小体病、パーキンソン病などを原因として起こります。

 家族が親の変調に気がつくのは、それまでのその人らしい言動に変化が見られたときです。同じ事を繰り返し聞いたり、眼鏡や財布などの置き場所を忘れては探し回る、などなど。

 認知症の初期であれば、その進行を防ぐための薬物療法もあります。また、認知力アップのトレーニングや体操なども功を奏するといわれています。さらに重要なことは、認知症の人との関わり方です。

 認知症を疑う言動に気がついたら、「物忘れ外来」を開設している医療機関を受診して、専門的見解を仰ぐことが大切です。

2022年2月20日


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