皆さんの健康のために

「男性の排尿と前立腺について」

 前立腺という臓器は男性にしかありません。ぼうこうのすぐ真下にあり、クルミ程度の大きさで尿道を取り囲むような位置にあります。その働きは精液を作る工場であると考えられていますが、いまだに十分解明されておらず謎の多い臓器です。

 精子は精巣で作られ精管を流れながら、やや複雑な経路をたどり前立腺につながって射精されます。多くの20代から40代の男性にとって前立腺は子供を作るために重要な働きをする臓器の一つです。

 若い頃は秘かに大切な働きをしていた前立腺は、本来の役目を終える50歳前後から自らの存在を主張するかのようにさまざまな症状を表し始めます。トイレが近い、特に夜間何度も目が覚めてトイレに行ってしまう、尿が出にくい、トイレまでに間に合わず漏れてしまうなどの症状は前立腺が大きくなる肥大症の症状です。

 また、がんになることも多く、男性では罹患(りかん)数が著しく増えているのが前立腺がんです。前立腺がんは腫瘍マーカーのPSAを測定することで、ある程度の予測を立てることができます。

 三鷹市の検診では50歳から5年ごとに70歳まで前立腺がん検診を受けられます。三鷹市内の多くの病院や診療所で受けることが可能なので、50歳以降の方は前立腺がん検診をお勧めします。

 また、会社の健診や人間ドックでも腫瘍マーカーの項目の一つとして調べることができますが、オプション扱いとなっている施設も多く、ご自身が希望しなければ採血の項目から省かれることもあり、注意が必要です。

 排尿することは健康な人にとっては何でもないことですが、排尿の調子が悪くなると外出を控えたり、不眠の原因となったり、日常生活にさまざまな支障を来すことも多いので、高齢だからと諦めず治療を受けることも大切です。

2022年3月20日


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