皆さんの健康のために

「ロコモティブシンドロームについて」

 ロコモティブシンドロームとは、加齢に伴い、運動器と呼ばれる骨や関節、筋肉などの体を動かす仕組みが衰えて、立ったり歩いたり走ったり登ったりなど、日常生活に必要な能力が低下し、要介護になったり介護が必要になる危険性が高い状態をいいます。また、日本整形外科学会が2007年に提唱したサルコペニアは、加齢によって骨格筋量が落ちることで、骨密度が低下する骨粗しょう症とともに、ロコモティブシンドロームの原因の一つといえます。片足立ちで靴下がはけない、家の中でつまずいたり滑ったりする、階段を上るのに手すりが必要である、布団の上げ下ろしなど家のやや重い仕事が困難である、2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である、15分ほど続けて歩くことができない、横断歩道を青信号で渡りきれない、などがあれば、ロコモティブシンドロームかもしれません。

 サルコペニアの防止には、普段から運動をすることが大切です。そこで簡単な体操をお知らせします。一つ目は片足立ちです。左右1分間ずつ1日3回行います。床に足が付かない程度に片足を上げます。安全のためテーブルや手すりのある所で行いましょう。二つ目はスクワットです。両足を肩幅くらいに広げて立ち、深呼吸するペースで5回繰り返します。これも1日3回行います。

 サルコペニアと骨粗しょう症はロコモティブシンドロームの原因だと述べましたが、運動によりサルコペニアはある程度防止できる一方で、骨粗しょう症はそういうわけにいきません。特に女性は閉経後に骨量が著しく減少し、転倒した際に骨折しやすくなります。まずは骨密度を測定して必要なら治療を受けましょう。整形外科などで骨密度を計測できますのでご相談ください。

2023年4月2日


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