皆さんの健康のために

「新型コロナウイルス感染症の罹患(りかん)後症状(後遺症)について」

 新型コロナウイルス感染症は、罹患した後、1週間以上経過し、感染性が消失したのにもかかわらず、半数以上の方に、罹患してすぐの時期から持続する症状や新たに出現する症状がみられることが注目されています。主な症状として、倦怠(けんたい)感、せき・痰(たん)、息切れ、味覚・嗅覚障害、関節痛・筋肉痛、睡眠障害、記憶障害、集中力低下などがみられます。こうした症状は新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(後遺症)と呼ばれています。罹患後症状は年齢や既往症(基礎疾患)、コロナ発症時の重症度にかかわらず、コロナに罹患したすべての方に起こり得るもので、時間の経過とともに、徐々に改善することが多いようですが、数週間から数カ月、ときには1年以上持続することもあるようです。罹患後症状がどうして起きるのか、詳しいメカニズムについてはさまざまな研究が行われていますが、根本的な治療法に結びつくような結論は得られていません。また、罹患前のワクチン接種は、罹患後症状の発症を減少させるという研究が報告されていますが、罹患した後のワクチン接種が罹患後症状の改善に有効かどうかは今のところ不明です。罹患後症状が改善しない場合には、ほかの病気である可能性もありますので、かかりつけ医を受診して相談されることをおすすめします。

 新型コロナウイルス感染症は、順調にいけば5月8日から季節性インフルエンザと同じ5類感染症に移行することが決定していますが、ウイルスの感染性が急に変わるわけではありません。メリハリをつけた感染予防は今後も必要ですし、自分自身やご家族を守るためにもこの機会にぜひ、ワクチン接種をご検討ください。

2023年4月16日


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