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「冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症」

 狭心症は、胸が痛む病気です。普通、狭心症というと階段を上ったり運動したときに胸が痛くなる労作性狭心症を思い起こします。

 労作性狭心症という病気は、心臓に血液を送っている冠動脈という血管が動脈硬化で細くなり、体を使ったときに心臓の筋肉に血液が十分に流れなくなって痛みを感じる病気です。

 これとは別に安静時に胸の痛みなどの症状が表れる冠攣縮性狭心症という病気があります。この病気の典型的な症状は、早朝などの安静時の胸の痛みです。早朝以外にも日中の安静時に起こることもあります。また、運動で起こることもありますが、やはり、特徴は安静時に起こることです。

 冠攣縮性狭心症では、症状の軽いものは胸のドキドキ感程度から胸部不快感、胸痛、強い胸部圧迫感、強い胸痛までさまざまで、失神発作の原因になることもあります。

 この病気は、心臓に血液を送っている冠動脈が痙攣(けいれん)を起こすことによって発症します。発作時には冠動脈が痙攣を起こしてキュッと締まるので、そこから先に血液が流れなくなります。この結果、心臓の筋肉に血液が流れなくなり、心臓が痛むなどの症状が表れます。心臓に血液を送っている冠動脈が攣縮(痙攣を起こしてキュッと締まること)して胸が痛むことから、冠攣縮性狭心症と呼ばれます。

 治療は、冠動脈が痙攣を起こさないようにする薬を飲んで発作を予防します。また、発作時には労作性狭心症と同様にニトログリセリンが有効です。

 狭心症は、体を動かしているときにだけ発症するものではありません。安静時に胸に症状を感じたら冠攣縮性狭心症の可能性も考えられます。一度ご相談ください。

2023年5月21日


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