皆さんの健康のために

小児の便秘

 お子さんの便が毎日出ない、または出た便がバナナより硬く大きい、小さくコロコロした便ばかりである場合、便秘で受診されます。また、発熱や下痢のない腹痛は、便秘であることが日常の診療でよく見受けられます。このような場合、外来で浣腸をしてしっかり排便すると腹痛が治まって機嫌良く帰宅されます。そのため、問診や診察で、排便の間隔が3日以上であることが多い、排便のときに苦しそうだったり、拭くと血が付くことがある、食欲がなく下腹部が張っているなどがあれば便秘を疑います。

 お子さんが便秘になりやすい代表的なタイミングとして、生後2、3カ月ごろや離乳食開始時期、入園・入学などの生活の節目の時期が挙げられます。乳児期の便秘は、腸管の機能が未発達で、便を腸内にためておけるようになっても排便する力がまだ弱いこと、離乳食に移行する時期に摂取する水分量が減ることなどが考えられています。入園・入学などの生活の節目で起こる便秘は、朝が忙しく、朝食後などの便意を感じやすい時間帯に十分な排便時間がないことで、排便を我慢→便を腸内にためる→便が硬くなる→排便時に痛みを感じたり出血するようになる→我慢してさらに便秘を悪化させる、というような悪循環を作ることも一因として考えられています。それらを改善し、毎日適切な硬さの排便を維持するための緩下剤などを病院で処方してもらうことも可能です。ただし、新生児期から便秘が続く場合は、生まれつき腸管の神経節細胞の問題がある病気などの可能性もありますので、かかりつけ医に相談していきましょう。生活のリズムを整え、バランスの良い食生活を心掛けて便秘の少ない快適な生活を目指しましょう。

2023年8月6日


会員限定
会員限定
連絡帳みたかい