皆さんの健康のために

更年期とホルモン補充療法

 女性ホルモンを産生する卵巣は40歳を過ぎる頃から機能が低下し始め、女性ホルモン(エストロゲン)が減少してきます。それに伴い月経の周期が乱れ始め、次第に更年期症状を自覚するようになります。そしてさまざまな体の不調が起こりやすくなります。のぼせ、火照り、めまい、耳鳴り、イライラなどのいわゆる更年期症状です。人によって症状や程度は異なりますが、つらい症状を年のせいだからと我慢するのは心身ともに良いことではありません。

 より元気な生活を送れるように、QOL(生活の質)を改善するのがホルモン補充療法です。ホルモン補充療法は原則、卵巣ホルモンと黄体ホルモンの薬を組み合わせて行います。現在、飲み薬、貼り薬、塗り薬があります。ホルモン補充療法を受けられない場合もありますので、医師と相談して自分に合ったものを選びましょう。定期検診として子宮頸がん・体がん検診、乳がん検診、血液検査などが必要です。症状が改善されれば中止してもよく、必要になれば再開もできます。漢方薬やメンタル系の薬を併用することもあります。

 副作用に乳がんや子宮体がんを心配される方もいますが、子宮体がんは黄体ホルモンを一緒に服用することで予防ができます。この黄体ホルモンも天然型の黄体ホルモンが昨年から販売されました。女性の卵巣でつくられるものと同じ成分の薬なので、今までのものと異なり、血栓症や乳がんのリスクはホルモン補充療法を行っていない方と変わりません。これからの黄体ホルモンの使用は、この天然型に代わってくると思います。ホルモン補充療法を医師と相談しながら上手に利用し、バランスの良い食事や適度な運動など、良い生活習慣を心掛け、更年期も自分らしく快適に過ごしましょう。

2023年9月17日


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