皆さんの健康のために

「血尿」

 尿に血が混じることを血尿と呼びます。血尿には目で見て分かる肉眼的血尿と、肉眼では分からないけれども顕微鏡で見て分かる顕微鏡的血尿があります。血尿の原因はとてもたくさんありますが、泌尿器科で多いのが腎臓や尿管の結石です。また、腎臓の中で尿をためる腎盂(じんう)のがん、尿管のがん、膀胱(ぼうこう)がんもあります。これらの臓器の表面は同じ尿路上皮でできていますので、できるがんも多くが同じ尿路上皮がんになります。一番多いのが膀胱がんです。痛くもかゆくもない、熱もない、しかし真っ赤な血尿が出るのを無症候性肉眼的血尿と呼びますが、これが膀胱がんの典型的な症状です。病院では尿検査やレントゲン、CT検査をしますが、膀胱がんの場合は細い内視鏡を尿道から膀胱に入れて、直接、膀胱の中を見なければなりません。膀胱がんの場合は、入院して麻酔をかけて、内視鏡でがんをよく見ながら電気メスで切除します。この手術で治ってしまう人も多いですが、膀胱がんは再発しやすいので手術後も外来でしっかり見ていきます。中には内視鏡の手術では治らず、膀胱全摘手術で膀胱を取らなければならない人もいます。膀胱を取ると尿の通り道を作らなければならないので8時間もかかる大きな手術となります。早期発見・治療が最も大切です。尿の色がおかしいと思ったら一度早めに病院へ行きましょう。

2023年3月19日


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