皆さんの健康のために

パニック症(パニック障害)

 最近ではパニックという言葉をよく耳にするようになりました。例えば、悲惨な事故現場に遭遇してパニックを起こした、忙しい中で急ぎの仕事を頼まれてパニくって頭が真っ白になったなど、日常的にパニックという言葉が飛び交うようになりました。

 しかし、そのような恐怖や不安な状況には直面していないのに、突然、不安発作に襲われるのがパニック症と呼ばれる病態です。なお、この不安発作をパニック発作ともいいます。

 発作時には、動悸(どうき)、胸痛、息苦しさ、窒息感、めまい、震え、手足のしびれなどの自律神経症状が自覚されます。また、気が遠くなる感じや、発狂するのではないか、このまま死ぬのではないかといった恐怖感にも襲われます。

 パニック発作は通常、数分間で治まります。仮に救急車で搬送されても、病院に着くころには発作は治まり、心電図やその他の検査をしても特段の異常所見が見当たらないのが一般的です。

 ただ、このような発作が繰り返し起こるのがパニック症の特徴で、「また起きたらどうしよう」という予期不安に付きまとわれることがしばしばです。重症の場合には、人中に出ることや電車・バスに乗ることも恐怖となり、外出もできなくなってしまいます。

 パニック症の原因はよく分かっていませんが、治療法としては薬物療法のほか、さまざまな精神療法が適用されます。治療経過は人によって異なるものの、大方の人は発作が治まってくるものです。ですから、パニック症の方は一人で悩まず、まずは、かかりつけ医にご相談ください。

2023年11月19日


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