夜間頻尿

健康コラム「夜間頻尿」

 夜、目が覚めてトイレに行くことがありますか? 60代の男性で8割強、女性では4人に3人が夜間1回以上トイレに行くといわれています。夜間1回以上の排尿を夜間頻尿と定義しますが、1回だけであれば何とか我慢できると思います。2回ぐらいから困ったなと感じ始め、男性では3回以上、女性では4回以上になると生活に支障を来すことが多くなります。また、ベッドから起きて途中で転倒したり、悪くすると骨折の恐れもあります。不眠となり、翌朝以降の体調不良にもつながります。

 夜間頻尿の原因は大きく分けて三つあります。まず、尿量の多い頻尿は糖尿病や高血圧、心不全、睡眠時無呼吸症候群などが原因となることがあり、それらの治療を行うことで改善することができます。また、脳梗塞や心筋梗塞の予防として、就寝前や夜間に水分をたくさん摂取すると頻尿になります。水分の摂取を少し控えるとトイレの回数が減ります。次に膀胱(ぼうこう)容量の減少による前立腺肥大症や過活動膀胱などの頻尿は、症状に合った薬を飲むことで改善することができます。最後に、睡眠障害による頻尿は睡眠薬の内服が有効ですが、よく眠れるような環境の整備や生活リズムの改善も重要です。ご自身で気を付けたいことは夜間に水分を取り過ぎないことです。特にアルコールやカフェインの摂取を控え、また塩分の取り過ぎも避けてください。軽い運動を行う、両足を座布団やクッションで少し持ち上げて30分以内の昼寝や日光浴を行う、夕方散歩に出掛けるのも良いことです。すべてを実践するのは難しいと思いますが、ご自身のできる範囲で行ってください。それでもトイレの回数が減らなければ、かかりつけの先生に一度相談されるのも良いと思います。

2024年3月17日


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